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2023年6月16日、マラネッロ発 フェラーリは、耐久レースにおけるフェラーリの驚異的な歴史を称え、最後のル・マン出走から50年ぶりとなる499PのWEC トップカテゴリー復帰を記念して、大型本『Ferrari Endurance』を発刊します。2021年発行のMonza SP1/SP2 に関する本に続き、フェラーリは今回も傑出した出版プロジェクトを完成させました。

『Ferrari Endurance』は、フェラーリの主要コレクターやエンスージアストに向けた、わずか99部の限定出版で、ル・マン24時間レースで披露されました。会長のジョン・エルカンが序文を記し、耐久レースにおける跳ね馬の歴史を細部に至るまで残らず記録しています。その緻密さはページ数にも表れており、1972年に出走全レースで勝利した伝説の312 PB にちなんで、312ページとしています。本書では、1950~60年代の勝利とヒーローたちの物語や、フェラーリの伝説を築いたモデルのディテールまで伝わる素晴らしい写真によって、過去の偉業を再現しています。また、1974年から2022年にかけて、プライベートチームが跳ね馬のマシンで数々の勝利を収めた時代についても、詳しく解説しています。Icona シリーズのDaytona SP3 は、名高いニュルブルクリンクで撮影された写真と共に、1 章を割いて紹介されています。もちろん、WEC の2023年開幕戦セブリングにおける新型ハイパーカー499P のデビュー戦レポートを抜きにして、『Ferrari Endurance』は成立しません。巻末には、1947年から現在に至るまで、フェラーリの耐久レースの全成績を詳細に示す資料も収録されています。

過酷な耐久レースの「香り」を生き生きと伝えるのは、優れた文章と初公開の写真だけではありません。『Ferrari Endurance』はその内容もさることながら、外装のビジュアルも並外れており、視覚と触覚で名車を彷彿とさせる工夫が凝らされています。表紙と裏表紙はリベット留めのアルミニウム製で、ミッレミリアで勝利した166 MM からル・マンを制した275P まで、歴代のフェラーリを象徴しています。さらに背表紙は、現在レース部門で使用されている3Dプリンターで製作。この技術によって499P のエンジンブロックは実現しました。本の構造部には、ソリッドブロックから機械加工で削り出したアルミニウムが使われています。これも、マラネッロで生まれるマシンの多くのメカニカル・コンポーネント製造で使用される高度な工程です。

一方、プレゼンテーションケースは、F40LM から新型ハイパーカー499P まで、近年のフェラーリモデルに使用されているカーボンファイバー製で、伝説のF40 にちなんだNACA ダクトを備えています。ひと目でフェラーリとわかるロッソ・コルサで塗装され、フェラーリのレーシングカーの構造コンポーネントと同じ技術で作られており、内側には499P と同様にアルカンターラがあしらわれています。

本書の序文で、フェラーリ会長ジョン・エルカンは次のように綴っています。
「情熱、決意、忍耐力。フェラーリの根底にあるのは、この3つです。1946年以来、この3つの資質がフェラーリを支えてきました。そして今年、フェラーリが耐久レースの最高峰に復帰する際も、この資質が私たちを導いてくれるでしょう。2021年、私はル・マン24 時間レースの公式スターターを務めるという大変な名誉を得ました。そして2023年、フェラーリは、過去の驚くべき挑戦を再開する準備を整えました。1949年の初優勝以来、9回の総合優勝と無数のクラス優勝を達成してきた地、ル・マンの100周年大会に499P で参加するのです。(中略)これは77年の歳月をかけた旅であり、今、私たちはスリリングな新しい局面を迎えています。この本が、フェラーリの偉大な成功に貢献したすべての人々を称え、耐久レースにおける私たちの未来にとってインスピレーションとなることを願っています」